新型コロナウイルスの影響が続いています。県立高校は、5月末日までの休校を決めました。公立中学校も、多くの市町で、5月末日までの休校を決めているようです。

学校再開が見通せない中で、夏休みの短縮、土曜日の開校、行事の中止など、様々な議論がされています。都道県知事からは、学校年度を9月開始にするように提案もされています。

そもそも、なぜ授業日数の確保が問題になるのでしょうか?もちろん、学習すべき内容が終了しないといった問題、生徒たちの教育を受ける権利を奪ってしまうという問題、ほかにも色々な問題が考えられます。が、一番問題になるのは、規則違反になってしまうということです。例えば、中学校の英語は、週4回×35週の授業を実施するように、学校教育法施行規則に規定されています。高校も同じように、指導要領の中に、定めがあります。つまり、学校は、規定の授業時間を確保しなければならないのです。

中学校には、留年という考え方はありません。よって、授業時間数が足りなくても、自動的に進級・卒業となります(たぶん。過去にこのようなケースはないと思うので、正確には不明です。ただ、病気等で1年間休んでも進級はしますので、今回も同様と考えられます。)。しかし、高校は、授業時間数が不足すると、単位不認定となり、全員が留年することになります。これは困るので、何とか授業時間を確保するように、学校の先生たちが必死に考えているわけです。

それでは、今後、どうなっていくのでしょうか?
(1)今年度は特例として、授業時間数が不足していても、単位を認定する。
(2)休みの短縮なので、授業時間数を確保する。
(3)学校年度を9月から8月までにしてしまう。
(4)学力テストなどを実施して、合格すれば、授業時間数が不足していても単位を認定する。
あくまでも推測ですが、考えられるのは、このような方法だと思います。

実際には、学校が再開する時期にもよりますが、休みを短縮するなどして可能な限り授業時間を確保し、その上で授業時間数が不足する場合は特例措置を設けるのではないかと思います。学校年度を9月にする案も都道府県知事を中心に議論されていますが、社会的なインパクトが大きく、また他国と比べて卒業年が遅れてしまうといった問題があるため、実現性は低いでしょう(一時的になら可能性はありますが)。

今回の新型コロナウイルスは、教育にも大きな影響を与えています。塾としては、可能な限りサポートして参りますので、引き続きよろしくお願いいたします。

個別指導塾のエール学院
学院長 小澤典生