塾では、高校1年生(新2年生)に、先生たちが大学受験の話をしているのを耳にします。私自身も、来年度の授業計画を生徒に話すとき、大学受験を意識しながら説明するようにしています。とは言っても、まだまだ1年生にとって、大学受験は、遠い将来の話と感じているのかも知れません。そこで、高校受験と大学受験の違いをまとめてみました。

(1)選択肢となる学校の数が違う。
高校受験は、地域の受験です。基本的には、自宅から通学できる範囲内で高校を選ぶことになります。当塾に通塾している生徒は、御殿場線沿線、伊豆箱根鉄道沿線、三島・沼津市内の高校を考えるのが一般的でしょう。一方で、大学受験は、全国の受験です。北海道から沖縄まで、どの大学を受験しても構いません。全国には、約800もの大学があります。大学受験生は、この中から、自分が受験する大学を選ぶことになります。

(2)入試のシステムが違う。
静岡県の高校入試は、再募集や高専を別にすると、私立1校、公立1校、合計2校までしか受験が出来ません。併願の生徒は、2月に私立高校の入試を受験し、3月に公立高校の入試を受験し、結果を待つのみとなります。しかし、大学入試は、8月から3月まで、半年以上にわたり実施されます。推薦入試・AO入試から一般入試まで、一つの大学を複数回受験できるのも特徴です。一般入試だけを見ても、私立大学では、学部別の入試、複数の学部を併願できる全学部統一入試、センター試験(来年度から共通テスト)利用入試など、様々です。また、試験日により、受験科目や科目数が異なることもあります。他の大学の試験日程との兼ね合いを見つつ、入試システムを選ぶ必要があります。

(3)試験範囲が決まっていない。
静岡県の高校入試は、原則として、教科書の範囲から出題されます。受験勉強では、教科書の勉強をしておけば、困ることはありません。大学入試では、教科書の範囲から出題されるとは限りません。もちろん教科書の範囲が土台になりますが、高校2年生の後半ぐらいからは、受験する大学の試験傾向に合わせた対策が必要になります。

大学受験は、勉強も、入試のシステムも、高校受験とは比べものにならないくらい、複雑です。事前に調べておくようにしましょう。

個別指導塾のエール学院
学院長 小澤典生