最近では、大阪府が独自の出口戦略を発表するなど、コロナ後の話題が出てきています。塾として気になるのは、受検の動向です。
コロナ後の経済は、不景気に向かう可能性が高いとされています。ワクチンや薬の開発には一定期間必要であり、それまではある程度の自粛下で経済活動を行っていかなければならないため、経済状態が急激に元に戻るとは考えにくいから、ということです。
受験と経済とは、一見して無関係なように思うかもしれませんが、実は、密接に関係しています。
中学受験については、経済状態が悪くなると、受験を控える家庭が多くなります。とはいえ、首都圏の場合は、かなり長期的に勉強計画を立てるため、急激に影響が出るわけではありません。しかし、静岡県内は、首都圏に比べると、受験計画が短期になるため、影響は出やすいと思います。2021年1月の中学受験、2022年1月の中学受験については、受験生が減少し、入学難易度もやや下がるかもしれません。
大学受験については、中学受験以上に影響が出ます。経済状態が悪ければ、受験校数を減らす受験生が多くなり、確実に合格できる大学を受験する傾向が強くなります。こうなると、難関大学は敬遠され、地方国立大学や中堅私立大学の人気が高まります。中堅私大とは、日本大学、東洋大学、駒澤大学、専修大学を中心とするグループで、その下には、大東文化大学、東海大学、亜細亜大学、帝京大学、国士舘大学を中心とするグループがあります。もともと大学二極化の波が、中堅私大の下のグループにも届いており、難化傾向にありました。この景気悪化により、さらなる難化が進み、偏差値45付近の大学の人気も高まっていくかもしれません。
高校受験については、もともと当塾周辺は、公立志向が強い地域ですので、さほど影響は無いように思います。
学校の休校が続いており、大学受験の総合型選抜(AO入試)、学校推薦型選抜(公募制推薦入試)の日程変更の可能性も浮上しています。受験への影響は、今後、判明してくるでしょう。情報を確認するようにしましょう。
個別指導塾のエール学院
学院長 小澤典生